水素材料先端科学研究センター

研究部門

金属材料研究部門

水素ステーションや燃料電池自動車の普及拡大に向けて、高圧水素機器で使用可能な鋼材の拡大が図られています。しかし、本格的な商用展開のためにはまだ十分ではなく、今後はより安価な汎用金属材料を安全に使いこなすための技術・知見が求められています。金属材料研究部門では、水素ステーションで生じうる温度/圧力領域で、安全と低コストが両立する適切な材料選択と設計を可能とすることを目的に、各種金属材料の様々な強度特性を水素ガス環境中で調査し、それらに及ぼす水素の影響メカニズムも含め、基礎から応用まで幅広く研究を行っています。

水素による疲労き裂進展加速メカニズムの解明 水素の影響を受ける材料の使用可能範囲と使用基準の明確化
部門長 松永 久生
部門長 松永 久生

活動概要

金属疲労研究を20年以上続けている。2012年度に九州大学に着任して以降、安全・安心・安価な水素社会の実現に貢献することを目的として、水素環境下における金属材料の強度特性の低下、およびそのメカニズムの解明に取り組んできた。最近はNEDOプロジェクト「新たな水素特性判断基準の導入に関する研究開発(2018~2022年度)」に携わり、水素ステーション(HRS)等に係る超高圧水素技術等に関して、普及期を見据えた課題に対応するための研究開発に取り組んでいる。また、国内外における水素材料関連の基準・企画の見直しや企業との共同研究にも積極的に参画している。