水素材料先端科学研究センター

研究センター概要

  1. 水素材料先端科学研究センター(HYDROGENIUS)は、2006年7月に、産総研の大学内型研究センターとして設立され、2013年3月までの7年間に「水素先端科学基礎研究事業」(NEDO受託事業)により、高圧水素環境下での材料特性・水素物性等の基礎研究を実施してきました。これらの研究で、水素脆化メカニズム等の解明や水素利用技術の確立に資するデータの取得・解析等を行い、規制見直しや水素関連機器の開発に貢献するとともに、企業と連携し国の政策を支える世界で唯一の一貫した水素集中研究拠点を形成してきました。

  2. 燃料電池自動車等の普及のためには、水素ステーションの整備が重要で、現在、全国で約100か所の水素ステーションが設置されています。国のロードマップでは、2020年に160か所、2025年には320か所の水素ステーションの全国的な整備を行っていく計画です。このためには、安全性を確保した上で水素ステーションのコストを大幅に低減させることが必要となってきます。

  3. こうした水素社会の実現に向けた社会のニーズと課題に対応していくため、これまで産総研で培われた研究体制を継承、発展させていくこととし、2013年4月に、九州大学の学内研究センター・HYDROGENIUSとして新たに発足させ、2013年~2017年度の約5年間、「水素利用技術研究開発事業」(NEDO受託事業)を中心に、産業界と連携した水素インフラの実用技術開発、標準化・規制見直しへの貢献を行いました。

  4. さらに、2018年度からは「超高圧水素インフラ本格普及技術研究開発事業」(NEDO受託事業)を受託するなど、今後も国内規制適正化、水素インフラのコスト低減等のために必要な、金属材料、高分子材料、摩擦材料への水素の影響、および水素物性に関する基礎研究から評価など、水素利用技術を支える分野の研究開発に取組んで参ります。